サロンという場が生み出すもの
サロンは、かつてフランス貴族が、学者や作家や詩人などの文化人を招き、知的な会話を楽しむ場であったと言われます。
UX Salonとは、和やかでありながら知的な対話の中からUXデザインのためのインサイトをさぐるための「知的な談話室」です。市場調査を目的とする場合には、複数人のペルソナを一同に介しグループインタビュー形式の質的調査を「サロン」として行います。対話式にすることで、互いの話に触発され、グループダイナミクス*によって思いがけないインサイトを発掘することが期待できます。1対1で行うデプスインタビューと異なり、複数メンバーの場合は、話しやすい人選(組み合わせ)と和やかな場づくりによって会話から深層心理や共通のペインを引き出していきます。
UX Salonとしての心理的安全地帯での対話が生み出す価値は、開発のキックオフミーティングなどメンバー間での想いを吐き出しヴィジョンを構築していく場面などにおいても有効です。
*アンケートなどの定量調査による客観的な数値データは、企画を裏づけるエビデンスとしては有効ですが、そこから新しい体験価値を見出すことは困難です。Act-Oではこのような量的調査の依頼は受けておりません。
*グループダイナミックス:社会心理学者のクルト・レヴィンによって研究された集団力学。人の行動や思考は、集団から影響を受け、また集団に対しても影響を与えるという集団特性のこと。
Salon
Salon
サロンデザインのKKDH
ただのグループインタビューとの違いは、あえてサロンと呼ぶ通り、「対話」による生産性をよりあげるため、話しやすい環境を意識的にデザインしている点です。UX Salonでは、学習環境デザインの4要素K(活動)K(空間)D(道具)H(人)を、サロンのテーマにあわせて吟味し設定します。
活動
Photo Talk
Mono Talk
Pre-Work
After-Work
空間
道具
Salon Drink
Name Card
Talk Menu
Place Mat
人
Expert
Extreme User
対話を通してインサイトが顕在化される
市場調査では、質問項目を事前に準備しておくことが当然のように言われますが、プロジェクトの方向性も定まらない段階では、まずもって何を知りたいのかさえ、明確になっていないことがほとんどです。この段階でアンケート調査のように、あまり窮屈に質問項目を決めてしまうのは、かえってその場で出てくるおもしとい話を聞き出すチャンスを逃してしまうことになるのでお勧めしません。
UXサロンでは、聞きたいことをざっくりとアラカルトトークメニューとして書き出しておき、話したいところから話してもらうように対話を進めていきます。どのような話が出てくるか予測不能なサロンは、一問一答で行う調査に比べて調査後の整理が大変ですが、その整理を進めていく中で、開発の種を見つける作業を行います。